木材は乾燥状態であれば1,000年間強度が増加し、軽くて圧縮や曲げに強いので建築材料として優れた特徴を持っています。

しかし、木材の最大の弱点は「腐れ」と「シロアリの被害」です。腐れは雨漏り、雨仕舞い、基礎構造で乾燥を保つ等、建築家で防ぐことが出来ますが、シロアリ防除は防除業者の仕事であると建築関係者は任せていました。

そんな中、最近増加している高気密・計画換気住宅では被害が出てから駆除をするとことは難しくなってきています。 建築関係者も正しい知識で責任を持ち、シロアリ対策をする時代になりました。

「人と環境にやさしいシロアリ防除を目指す会」では、一番重要なことはまず「シロアリ被害を受けない構造にする」ことだと考えています。

私達は住んでいる方に責任が持てる家作りをした上で、健康・環境共生をシロアリ対策から見て一緒に学んでいこうとする建築関係者の集まりです。

• 防蟻剤として使われていた「クロルピリフォス（成分名）」が使用禁止となり、化学薬剤アレルギーが注目され、建築業界において「健康、環境共生、高気密、計画換気」していた住宅は混乱しました。そのために防蟻剤を使っていないから健康、環境共生であると謳う無責任な業者が出てくるようになりました。
• 「化学薬品＝悪　天然物質＝安全」という考え方に基づき、炭や植物抽出物質を推奨する本が出版され、実際に使用されています。
• しかしながら、炭の塗料は果たして効果があるのでしょうか。日本木材保存剤協会３０周年記念講演では効果がないことが発表されました。
• ヒバ油を使用したことにより木材アレルギーになった方もいます。なぜならばヒバ油である自然物質も化学物質も同じ化学物質だからです。

イエシロアリの生態が解明されてから、生態を利用したベイト法やステンレスメッシュを使った物理的な防除法などがでています。

「人と環境にやさしいシロアリ防除を目指す会」では、確実にイエシロアリの駆除・防除ができるベイト工法と新築時に基礎下に敷くシート工法などのレスケミカル工法を推奨しています。

健康住宅を作り、守ることは建築家の仕事です。

住宅は作った後も定期的に点検・補修することによって本来の性能を発揮します。木造住宅の劣化原因は腐れとシロアリ被害です。

高気密・計画換気住宅は一度被害が出てしまうと駆除が難しくなります。しかし、新築時に正しい知識で作られた住宅は被害を受けることが少なくなり、周囲にシロアリ検知ユニットを埋設することによって被害を受けることがなくなります。

建築家が定期的にシロアリ点検を通じて家屋の点検をすることはとりもなおさず住宅長期保存につながります。

そのために私達は定期的な勉強会を開催して、正しい知識の習得とシロアリの生態を勉強していきます。